「伊藤忠商事」代表取締役 会長CEO 岡藤正広さんに聞いた!会社を長続きさせる働き方改革とは?【加藤綾子/一流思考のヒント】

「カトパン」ことフリーアナウンサーの加藤綾子さんが一流のトップに組織マネジメントや成功のヒントを探り、そっとシェアする「一流思考のヒント」連載。


第11回「伊藤忠商事」代表取締役 会長CEO 岡藤正広さん[前編]

Profile
加藤綾子 Ayako Kato
2008年フジテレビ入社、看板アナウンサーとして活躍。´16年よりフリーアナウンサーとなり、活躍の場を広げる。4月から『世界へ発信! SNS英語術』(NHK)、『MUSIC FAIR』(CX)にて新たにMCを担当。夏からスタートしたオフィシャルインスタグラム@ayako_kato.officialは、11月現在でフォロワー29万超えに。

岡藤正広 Masahiro Okafuji
伊藤忠商事株式会社代表取締役 会長CEO。1949年生まれ。東京大学経済学部を卒業後、1974年に伊藤忠商事に入社。大阪本社を主な拠点に繊維の営業を担当し、世界の有名ブランドの導入に手腕を発揮。2010年に代表取締役社長に就任。2018年より現職。


会社は長続きせないかんわけで、いかに社員の幸せを考えるかが大事。働きがいがあれば、業績も上がります(岡藤さん)


岡藤やっぱり会社は長続きせないかんわけで、そのためにいかに社員の幸せを考えるかが大事なわけですよ。社員が働きがいを持ってがんばってくれれば、業績が上がる。そうなると株主の方への配当も増え、お客様の商売も伸びる。このように、全てのステークホルダーの幸せにつながるんです。

加藤民間企業として初めて国立がん研究センターと提携して、がんになった社員の仕事と治療の両立支援を始められたというお話も素晴らしいなと思いました。

岡藤2人に1人ががんになる時代ですが、かつては「がんになったことを伝えると仕事を失うのではないかと不安で、会社に言いづらい」という人もたくさんいました。また、自分に何かあったら家族はどうなるのかという不安もあります。そのため、がんに罹患した従業員が会社の全面的なサポートを受け、最先端の治療を受けながら働き続け、成長できる体制を整えています。がん治療と仕事を両立できれば成果として評価され、賞与に反映される。

加藤言葉で掲げることができても、実際に実現させることは、すごく大変なことだと思います。

岡藤最初に約束を守ることが肝心。その上で一度動き出せば、社員も信頼してくれる。


相手に合わせて自分を切り替える。なかなか難しいことだと思います(加藤さん)


加藤他にも「カジュアルフライデー」の服装が、ただネクタイを外しただけの状況を見て、思い切って「脱スーツ・デー」を導入されたと。

岡藤最初は金曜だけだったけど、今は金曜だけでなく水曜も、8月は暑くてかなわんから、一ヶ月は毎日、脱スーツ・デーにしてな(笑)。商社の場合、マーケットや世の中の変化に寄り添い、感性を研ぎ澄ましてやっていくのが大事なわけで、服装も無視できません。とはいえ、ある程度はファッションを教えていかなあかんので(笑)、ジーンズ・デーとして、うちで輸入している海外ブランドやエドウィンのジーンズの販売会をしたり、東京本社に「D+ラウンジ」として、ファッションや身だしなみに関してレクチャーを受けたりすることのできるコンセプトスペースを設けたり、社員のファッションに対するマインドを刺激しています。他にも、参加の応募をしてきた社員の中から毎シーズン10名程度、伊勢丹新宿店の方に全身コーディネートをしてもらって、それを一式無料であげたりも。

加藤会社がそこまで!?

岡藤会社もお金をかけているんだから、という姿勢が大事。

加藤その意味では、御社の最寄りである外苑前駅の地上出口から会社までのわずか数メートルに、屋根も付けられたんですよね。

岡藤たった数メートルのために傘をささなきゃならない社員の気持ちを考えたものだけど、関係者との調整や費用がホント大変だった(笑)。

加藤多忙を極める中でも、細やかな部分に気づくことができるように、普段から心がけていらっしゃることはおありですか?

岡藤まず、いろいろな人の話をよく聞いて、気になったことはメモに取ること。例えば昨日も赤坂にできたと聞いた地下の狭いところでやっている新しいバーバーに行ってきて、帰りに東急ハンズに行ってきました。メガドンキにもよく行くな。「ここはなぜ流行っているんだろう」とか、いろんなことを研究してる。どちらかというと少しでも時間があったら現場に足を運ぶのが好きやし。だから、社長になって、多すぎる会議を極端に減らして。社員の人間性を見るには細かい話より、雑談で十分。会議の際の膨大な資料も「なるべく作るなよ、少なくしろよ」と。

加藤メガドンキを歩いている岡藤さん、想像がつきません(笑)。

岡藤「いかにマーケットに合うものを提供するか」ということが身についてしまっていて、消費者はもちろん、自ずと社員や家族の目線にも立ってしまう。全社メッセージの内容も「社員はこれをどう思うだろうか」と、何回も推敲してますよ。

加藤でも、岡藤さんのような自己を確立された立場の方が、相手に合わせて自分を切り替えていくことは、難しくはないですか?

岡藤変わらないとどんどん世の中から遅れていく。新しいスマホが出るときも、たいして使わないのにその度に買って、なんとかついていこうと努力はしとる(笑)。